市の交通の次の計画、目標に届かないときの体制を総括質疑で問う[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
市の交通の将来像を描く地域公共交通計画の見直しが進んでいます。北区は、神戸電鉄の運賃が高いうえに、駅から家までバスに乗らなければならない地域が多くあります。坂道も多く、歩いて移動するのは大変です。こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。
2026年10月8日、市長や副市長に問う決算特別委員会の総括質疑で、次の計画では、目標に届かないときに責任を持って対策を講じる体制を整えるよう求めました。バスや電車の届かない地域を走るコミュニティバスや乗合タクシー(地域コミュニティ交通)の補助の上限額も問いました。
病院の送迎バスを地域の足に
路線バスの廃止や減便で、高齢の方の移動が問題になっています。私は2024年2月の本会議の代表質疑で、公明党神戸市会議員団を代表して、病院などの送迎バスも含め、地域の乗り物を総動員するよう求めました。
北区の山の街では、地域からの相談をきっかけに、市が地域と病院の間に入りました。通院の送迎バスに高齢の方が買い物などで相乗りする仕組みが、2026年1月から本格的に動いています。県議会では公明党の大塚公彦議員が取り上げ、知事も先進的な取組として挙げました。
9月の代表質疑では、公明党の菅野吉記議員が、運転士不足の中での次の計画の方向性を問いました。久元市長からは、民間の送迎バスなども生かし、地域の隅々まで安心・安全に移動できる交通体系を目指すとの答弁がありました。
次の地域公共交通計画には、担当する市の部局を書くとの答弁でした
写真は10月8日の総括質疑の様子です。
いまの計画の取組の予定表は、5年ごとに調査・計画・実施の段階を示すだけです。誰が取り組むかも「交通事業者」や「行政」というくくりで、どの局が担うのかは書かれていません。数字を置いた目標であっても、それを達成する責任の主体があいまいです。
10月2日、都市局を審査する分科会でこの点を問うと、松崎都市局長から、次の計画では「行政の取組主体につきましても神戸市の部局等を記載する」との答弁がありました。年度ごとの取組も、スケジュールで示す考えです。
民間のバス停のベンチは、計画の想定どおりに進んでいません
写真は神鉄道場駅のバス停(上屋とベンチ)です。
いまの計画は、ベンチを500基新設する目標を掲げ、市バスで400基、民間バスで100基程度を想定していました。計画の目標年次は延ばしましたが、目標値は変えていません。
都市局の集計では、2016年度からの累計で、市バスは586基と想定を上回りました。市の補助を受けた民間のベンチは47基で、2022年度から3年続けてゼロでした。
総括質疑でこの数字を示すと、久元市長は、コロナ禍を経た利用者の減少もあり、民間のベンチ設置が想定どおり進まなかったと述べました。私も当局を通じて、傷んだ上屋の修理を優先せざるを得ないというバス会社の声を聞いてきました。
駅などのターミナルを除くと、バス停のベンチは事業者が置く役割分担です。投資を控える事業者に頼る計画のままでは、民間の100基程度には届きません。
北区には、市バスが走っていない地域が多くあります。市バスのない地域や、市バスの路線を事業者に移した地域では、計画で手を打たなければ、市バスの走る地域との差が広がっていきます。
地域公共交通計画の目標に届かないとき
質疑の趣旨
次期計画では、目標ごとに、達成できないときは責任を持って対策を講じ、成果を追求する体制を整えるべき。
答弁の趣旨(久元市長)
目標達成を意識して取り組む視点は重要。次期計画では、施策ごとに実施主体や具体的な目標、スケジュールをより明確に示す。目標達成に課題がある場合は、市民の代表や交通事業者などでつくる協議会で関係者と協議し、課題や要因を分析する。市の支援制度が適切に機能しているかどうかも含めて施策を見直し、施策の成果を追求する取組を行う。
分科会審査の答弁は「協議し、計画に反映」するところまででした。総括質疑では、市の支援制度が機能しているかまで見直す考えが示されました。
議場では、目標を立てた以上は、計画を書いて終わる作文行政ではなく、市長が先頭に立って数字を追いかけてほしいと伝えました。
本格運行の2年目以降も、活動費が支援の対象になりました
市は2026年度から、地域が利用を呼びかける活動の費用を、運行経費の補助の上限額の範囲内で支援の対象に加えました。活動費の上限は年30万円です。
私は2025年6月の本会議で、本格運行から1年に限られていた事務費の補助を、そのあとも続けるよう求めていました。今西副市長からは、利用が伸びず、より一層の利用促進が求められる場合などには、補助継続の検討が必要との答弁がありました。
この見直しは、2026年3月31日の記事でお知らせしています。
市街地の補助の上限額と、物価の上昇
分科会審査では、市街地の補助の拡充を「前向きに検討してまいりたい」との答弁でした。
質疑の趣旨
支援した地区は2024年度までに29地区と目標の30地区に近づいたが、運行しているのは試験運行を含めて15地区。足元の物価上昇に早急に対応するためにも、市街地の運行経費の補助の上限額を、来年度から引き上げるべき。
答弁の趣旨(小松副市長)
2023年度に、2020年以前の約10年間の物価上昇率を反映して、補助の上限額を引き上げた。しかし足元の人件費や物価の上昇は、その10年間の上昇率を上回ると認識している。コロナ以降、地域コミュニティ交通に参画する事業者は減少傾向にある。物価上昇への対応を含め、国や県の施策とも連携しながら、持続的な補助制度について検討を進める。
前回の見直しで反映した10年間の上昇率を上回る物価の上昇と、事業者の減少について、副市長が認識を示した答弁です。私は議場で、事業者がいなくなってからでは遅いと伝え、来年度での引き上げを確実な形にするよう求めました。
地域の足を守るため、この答弁を踏まえて、来年度の上限額の引き上げを求め続けていきます。
次の地域公共交通計画に、北区の実情を
写真は谷上駅のバス停(10月26日撮影)です。
10月28日には、この地域公共交通活性化協議会が開かれ、計画の改訂が議題になります。
バスと電車の接続は、いまの計画でもうたわれています。次の計画では、駅から家までバスに乗る地域が多い北区の実情も、目標に反映されることを期待しています。
9月と10月の答弁は、正式な会議録になる前の記録(未定稿)によります。
今回の質疑で明らかになった課題も含めて、引き続き当局とさまざまな場面で議論を重ね、解決に向けて尽力していきます。
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堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
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