TOPブログ地域コミュニティ交通の制度見直しと新たな挑戦[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

地域コミュニティ交通の制度見直しと新たな挑戦[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

地域コミュニティ交通の制度見直しと新たな挑戦[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

※本記事は2026年4月11日に内容を一部修正し、構成を見直しました。

こんにちは。神戸市会議員の堂下豊史(どうしたとよじ)です。地域コミュニティ交通の補助制度見直しと、北区上唐櫃地域での新たな試験運行についてご報告いたします。

北区上唐櫃地域の風景

補助制度の見直しが実現、新たな試験運行もスタート

令和8年度予算において、地域コミュニティ交通の補助制度の見直しが実現しました。地域活動費として年間30万円が予算化され、運行を続ける限り毎年確保される仕組みとなります。また、北区上唐櫃地域では住民主体のコミュニティ交通「からりん」の試験運行が2026年4月2日から6月30日にかけて実施されます。

からとんくるりんバス

「からとんくるりんバス」が直面してきた壁

北区唐櫃台では、地域住民が主体となってコミュニティバス「からとんくるりんバス」を運行してきました。駅までの距離や坂道の多さなど、日常の移動に課題を抱える地域で、住民の足を守る大切な取り組みです。

しかし、この運行を続けていく中で深刻な課題が浮かび上がりました。「唐櫃にバスを走らせる会」の皆さまから相談を受けたのは、担い手の高齢化や人材不足、燃料費・人件費の高騰といった問題です。地域の努力だけでは支えきれない状況が生まれつつありました。

本格運行後わずか1年で補助が終了する制度の問題

特に大きな課題となっていたのが補助制度です。現在の制度では、本格運行後の補助が最長1年に限定され、その後は地域の持ち出しや協賛金に頼らざるを得ません。地域の力で始まった交通を長く続けていくためには、制度面での支援が不可欠だと感じました。

議会質疑の様子

本会議一般質問で制度見直しを提起

こうした課題を受け、神戸市会本会議の一般質問で補助制度の見直しについて質問しました。

地域コミュニティ交通の補助制度は、地域の実情に応じた交通手段を確保する制度として一定の成果を上げており、市民の生活の足を支える重要な役割を果たしています。しかし、補助が本格運行後1年で終了する仕組みでは、担い手不足や物価高騰が続く中、地域コミュニティ交通の持続性が危ぶまれます。そこで、本格運行後の補助継続と制度見直しについて、市の見解をただしました。

今西副市長からは、地域コミュニティ交通は地域・運行事業者・市が役割分担しながら支える制度として令和3年度に創設されたものであり、本格運行直後の運営安定化を目的として1年間の補助を実施しているとの説明がありました。その上で、利用が伸びず利用促進が必要な場合などには補助継続の検討が必要との認識も示されました。

地域の声が届き、制度が動いた

2025年8月24日に北神区文化センターで開催された公共交通フォーラムでは、「唐櫃にバスを走らせる会」の植田会長が久元市長に対し、地域コミュニティ交通を支える組織の活動経費や人件費の必要性について直接訴えました。

この問題はその後、昨年10月10日の神戸新聞でも「神戸市内で交通空白地深刻化 バスなど運行も住民負担大きく 熱意だけでは継続できない」との見出しで取り上げられ、多くの市民の関心を集めました。

地域コミュニティ交通をどう守るかという課題は、北区だけでなく神戸市全体、そして全国の地方都市にも共通するテーマです。

令和8年度予算資料

令和8年度予算で年間30万円の活動費を予算化

粘り強い取り組みが、ついに制度を動かしました。令和8年度予算において、地域コミュニティ交通の補助制度の見直しが実現しました。

見直しのポイントは、地域活動費として年間30万円が予算化されたことです。この経費は「運行経費」として位置付けられるため、運行を継続する限り毎年確保される仕組みとなります。

また、これまで地域に委ねられていた利用促進活動について、運行事業者にも役割を担ってもらうための具体的な仕組みとして、この地域活動費が活用されます。なお、予算枠自体は現行と変わっておらず、制度の考え方や経費の位置付けが整理されたことが今回の実質的な内容です。

新たな挑戦「からりん」を次につなぐために

こうした制度見直しを経て、北区上唐櫃地域では新たなコミュニティ交通「からりん」の試験運行が始まりました。運行期間は2026年4月2日から6月30日までです。試験運行では、本格運行への移行に必要な利用者数が確保できるかを検証します。

「からとんくるりんバス」の皆さんが積み上げてきた経験と声が制度を動かし、その制度のもとで「からりん」という新たな挑戦が始まる。地域の力がつながっていく流れを、地元議員として全力で応援してまいります。

各地で進む地域コミュニティ交通の推進に向け、新しい補助制度とあわせて、持続可能な地域交通の実現のために尽力してまいります。

堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)

神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。

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