粟生線赤字で有馬線も値上げなら「神戸市民にとってはゆゆしき事態」[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
粟生線は、神戸電鉄が神戸市と三木市、小野市を結んで走らせている路線です。赤字が続き、その赤字を、有馬線などの利用者も含めた神戸電鉄全体で支えています。こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。
2026年10月20日の都市交通委員会で、2027年度の兵庫県の予算に向けた神戸市の要望のうち、神戸電鉄への支援について質疑しました。松崎都市局長からは、県が議論の中心となるよう、県に要望していくとの答弁がありました。神戸市北区の皆さんにも関わる質疑ですので、ぜひご一読ください。
10月20日の質疑と答弁の引用は、正式な会議録が出る前の記録(未定稿)によります。
粟生線の赤字と、北区を走る有馬線
写真はイメージです。
2025年10月10日の本会議では、同じ会派の萩原泰三議員が粟生線を取り上げました。
久元市長は、粟生線の2024年度の経常利益が6億5,000万円の赤字だったという、県や沿線3市、神戸電鉄などでつくる活性化協議会の報告を挙げました。神戸市の外の区間で乗る人が減ったことによる赤字だとしています。
本来、有馬線に投資されるべき資金が十分に投資されていないのではないか、との認識も示しました。粟生線の赤字がもとで有馬線も値上げになれば、「神戸市民にとってはゆゆしき事態」とも述べています。北区の皆さんにとって、重大なことです。
近い将来には「鉄道運営の構造的な部分」の検討にも踏み込まざるを得ない状況になる、との答弁もありました。
市は2026年4月に神戸電鉄の株式を取得し、7月には経営陣との意見交換会を開いています。株式を取得する予算は、2026年2月17日の記事でお知らせしています。
存続を求める県への要望も、県の回答も、2年続けて同じ文でした
神戸市は県への要望で、「粟生線の存続を図るため、引き続き、広域行政を担う兵庫県が中心となって調整すること」を求めてきました。
県からは、沿線3市とともに存続に必要なことを検討しているとしたうえで、「引き続き県は広域調整役としての役割を果たしていく」との回答でした。
2025年度と2026年度の県予算に向けた分で、要望も回答も一字一句同じでした。
委員会では、「要望そのものが形骸化しているのではないか」と指摘しました。
粟生線の「構造的な部分」とは何かを問いました
写真はイメージです(10月20日当日のものではありません)。
例として挙げたのは、施設の保有と運行を分ける上下分離、株主として経営や設備投資の計画に関わること、県や沿線市が運行の費用を分け持つこと、の三つです。
私は2023年6月の都市交通委員会でも、上下分離を含めた維持・存続策を、県と沿線3市、神戸電鉄で具体的に協議するよう求めています。
当時の山本都市局長の答弁は、上下分離は県や三木市、小野市などとの「総意で決定するもの」で、「慎重に判断する必要がある」というものでした。
上下分離などは神戸市だけでは決められない、との答弁
松崎都市局長からは、構造的な部分について、何か特定の手法とか、それを前提にしているということではない、との答弁がありました。
上下分離や費用の分け持ちは神戸市だけで決められず、関係者と十分に議論して慎重に判断する必要があるとしています。
粟生線の活性化協議会でも、鉄道を維持していく仕組みや支援の在り方は「これまでと異なる視点での検討が必要」との意見が出ていると説明しました。
神戸電鉄に経営努力を続けてもらいながら、公的支援の在り方や関係者の役割分担、国の支援制度の活用可能性も含めて、幅広く議論することが大事だとしています。
慎重に判断するという点は、2023年の答弁と同じです。
県の役割、「中心」と「広域調整役」
写真はイメージです。
粟生線の赤字を神戸電鉄全体で支えている今の構造を変えるには、広域行政を担う県の関与が欠かせないと考えました。
今回の要望でも、県に担ってほしい役割を市から具体的に示し、県の考えを確かめるよう求めました。
局長は、県が事務局を務める「神戸電鉄粟生線存続検討会議」で、路線ごとの収支なども含めて議論していると説明しました。
この会議は、神戸電鉄の公開していない経営情報も扱うため、非公開とされています。
「広域行政を担う県がその議論の中心となってリーダーシップを発揮していただいて」とも述べました。
市の要望は「中心」、県の回答は「広域調整役」で、かみ合っているのかも尋ねました。
局長は、存続検討会議では県が事務局として中心的存在になっていると説明しました。
改定する粟生線の計画に、在り方を位置づけるよう県に要望していくとの答弁
粟生線を維持するマスタープランは、粟生線の活性化協議会が定める地域公共交通計画です。局長は、この計画の改定までに議論を進めるよう、県に要望していくとしています。
期限の区切りとして、改定する計画に書き込む内容を県が中心となって決めていただくよう、県に要望していくのか確かめました。
そのように、今は考えている、との答弁でした。計画に「しっかりと在り方というのを位置づける」よう要望していくとも述べています。
来年の県の回答が、また同じ文言にならないよう求めました
神戸電鉄の施設の改良・更新への補助は、2025年度で国が6億6,800万円、県が2億9,300万円、神戸市が1億9,200万円でした。
お金の面では、県も一定応えていただいています。足りないのは、粟生線の将来の姿を誰が中心になって決めるかです。
存続検討会議には、局長ご自身も構成員として入っています。来年の県の回答がまた同じ文言にならないよう、次の会議で県の役割を議題にし、合意したことを委員会に報告するよう求めました。
局長からは、公表できる範囲で、進んでいることをしっかりと報告したい、との答弁がありました。
あわせて、目標年度を示したうえで、県の役割を明確にしながら協議を進めるよう要望しました。
局長には、真摯に寄り添っていただいていると受け止めています。それでも、粟生線を残すためにも、有馬線などの利用者が赤字を支え続ける今の形は、変えてほしいと考えています。
今回の質疑で明らかになった課題も含めて、引き続き当局とさまざまな場面で議論を重ね、解決に向けて尽力していきます。
堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
市政報告や地域の取り組みをLINEで配信しています。
