TOPブログ新米概算金が下がる秋、北区生産者の収入[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

新米概算金が下がる秋、北区生産者の収入[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

概算金の発表が始まりました。2026年産の新米は、大幅に値下がりする見通しです。

こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。2026年8月21日の神戸新聞朝刊をもとに、秋の概算金と北区の米作りをご報告いたします。

概算金は、JAが新米を集荷するときに生産者へ払う前払いです。売れたあとに精算があり、最終の手取りではありません。

店頭が安くても、作る側の収入は先に苦しい

精米した白米のイメージ

写真はイメージです

肥料も機械も高いままなら、概算金が下がった年は、農家の秋の収入が先に減ります。

店頭で5キロ3千円台の年は、高い米に苦しんだ家計には追い風です。産地が続かないと、安い棚は一過性になります。

主産地の概算金は2割から4割落ちた

紙面の見出しは「新米 大幅値下がりへ」です。副題は「前年比 概算金2〜4割下落」「店頭5kg 3千円も」でした。

表には、玄米60キロ当たりの概算金が並びます。北海道のななつぼしは1万7千円で、前年比41パーセント減です。

新潟県の一般コシヒカリは1万8,500円、富山県は2万円、福井県は1万7千円です。兵庫の数字は、この表にはまだ出ていません。

店頭の3千円は精米5キロ、表の1万7千円は玄米60キロです。単位が違うので、そのまま比べることはできません。

表は、先に数字が出た主産地です。兵庫の産地も、同じ秋の潮目に入ります。

北区の生産者も、同じ潮目の中にいます。

概算金は、店頭の前に農家へ渡る前払い

神戸市は2025年6月の経済港湾委員会で、JAが秋頃に仮渡金を払い、販売実績から経費を引いて精算すると説明しています。

仮払いを抑えるのは、売れたあとで集荷側が抱え込むリスクを減らす動きでもあります。入口が落ちれば、生産者の資金繰りは先に揺れます。

市は同じ委員会で、生産者が続けられる買取り価格と、消費者が納得できる店頭価格が両立しないと、担い手は確保しにくい、とも述べています。

高い年の米も、卸値は店頭より先に下がる

2018年産から、国による生産数量目標の配分はなくなりました。国は店頭価格を決めていません。

高い年も安い年も、需給に応じた民間取引の結果です。

農林水産省は、集荷業者と卸の相対取引価格を毎月公表しています。2025年産は、同年9月の全銘柄平均が玄米60キロ当たり3万6,895円でした。

同じ2025年産でも、集荷業者と卸の取引価格は、2026年6月に玄米60キロ当たり3万1,305円まで下がっています。

在庫が増えると、店頭より先に、この卸値から下がることがあります。

国は、米では儲けにくい前提で動く

神戸市内の米の生産量は、市の説明では約9,500トンです。市民が1人50キロ食べる計算でも、市内需要の1割強です。

先日、北区の生産者から聞いたのは、米ではお金が残らない、という姿でした。

国の政策は、コストを下げ、規模を広げる方向に寄っています。米では儲けにくい、という前提です。

2025年農林業センサスでは、兵庫県の販売農家は5年前より21パーセント減っています。

概算金が下がる年は、その前提がより強くなります。

概算金が下がる年に、親元就農へ4,420万円

2025年3月6日の予算特別委員会で、公明党の宮田公子議員は、農家の後継者への支援を質しました。

親から継ぐ側は要件が厳しく、市独自の拡充を、と求めました。

2025年6月10日の本会議で、私は親元就農者への戦略的支援を質問しました。

神戸市会の議場で質問する堂下豊史

昨年来の米騒動は、食料供給の脆さを示した、と述べました。国の制度は要件が複雑で、親元就農は空白になりやすい、と指摘しました。

市独自の定着支援を求めました。市は当時、国の制度が拡充されたので周知に努める、と答えました。

2026年度予算に、親元就農を含む新規就農者への支援が新たに4,420万円付きました。

後継者への機械・施設の導入支援も拡充されています。

会派の宮田議員と私が、予算特別委員会と本会議で求めてきた実績です。

概算金が下がる年は、継ぐ判断がいっそう重くなります。この予算を、北区の現場に届ける番です。

作る人がいなければ、日本の米は残らない

水田と農家のイメージ

写真はイメージです

紙面は、肥料や機械のコストが残るなかで、概算金が生産費を割り込む恐れがあると書いています。

市は2025年6月、資材高騰で生産費が10アール当たり約4,000円増えた、という国の調査を紹介しています。

先日、北区の生産者から聞いた声です。資材は高騰し、米は下がる。

水飲み農民は瀕死だ、と。これは、作る側の実感です。

米ではお金が残らないと分かったうえで、米から始めた現場もあります。広い土地と景観を守るには、米が要る、という判断でした。

この5年、10年が瀬戸際だ、とも聞きました。田が消えれば、戻すのは難しい。

米は1人あたり年50キロです。100ヘクタール作っても、1万人分にしかなりません。

北区の田は、日本の米の一部です。作る人がいなくなれば、店頭の安さも続きません。

消費者には手が届く米が要ります。同時に、この生産者を守ることが、日本の米を残すことです。

概算金が決まる秋は、兵庫の数字を見るだけではありません。作る人が残らなければ、食べる側も守れません。

堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)

神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。

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