都構想二度否決と神戸市が目指す特別市[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
「特別市」という大都市制度の議論が、神戸市でも進んでいます。
こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。
参考にしたのは、公明新聞2026年8月2日付関西版と、神戸市・指定都市市長会が公表した資料です。
結論
写真はイメージです
大阪市を廃止して特別区に再編する、いわゆる大阪都構想は、2015年と2020年の住民投票で二度否決されています。
それでも法定協議会での議論は続き、公明党大阪市議団は7月末、東住吉区で開いた集会で「大阪市廃止は維新の横暴」と訴えました。
大阪は市を廃止する方向で二重行政の解消を目指し、神戸を含む指定都市市長会は道府県から独立する方向で同じ課題に向き合っています。
答えの向きが真逆であるという点で、この議論は政令指定都市である神戸市にとっても他人事ではありません。
大阪市廃止論の経緯
写真はイメージです
大阪都構想は、大阪市を廃止して複数の特別区に再編し、広域行政を大阪府に一元化する制度改革です。
大阪府と大阪市がそれぞれ類似の大型施設を整備した経緯から、「二重行政」という言葉が広く使われるようになりました。
制度案を協議する法定協議会(法律に基づく協議機関)は、2度の否決を経た今も設置されたままです。
「大阪のミライを考える会」で語られたこと
公明党大阪市議団は7月末、大阪市東住吉区で「大阪のミライを考える会」を開きました。
会場には約280人が集まり、YouTubeライブ配信は延べ7000人超が視聴しました。
再生回数は7月30日時点で2万6000回を超えています。
登壇したのは、中道改革連合の国重徹衆院議員、国民民主党の足立康史参院議員、公明党の辻義隆大阪市議の3人です。
元毎日新聞記者の幸田泉氏、フリージャーナリストの木下功氏も加わりました。
辻義隆氏は「2回の『否決』は重く、真摯に受け止めている」と述べました。
国重徹氏は「『人』と『制度』を選ぶ選挙を一緒にしたらダメ」と指摘しました。
「二重行政」はもう終わっている、という指摘
大阪維新の会は、大阪府と大阪市の意思決定を一本化し、二重行政を解消する狙いを都構想の意義として掲げてきました。
これに対し辻義隆氏は、府と市が個別に類似施設を整備した状態は、今は起きていないと説明しています。
幸田泉氏も「住民サービスが低下する。だまされないで」と、制度変更が住民生活に与える影響への警戒を呼びかけました。
木下功氏は「都構想よりもインフラ整備など課題が山積み」と、優先順位の見直しを求めました。
公明党の立場、民意の重みとインフラ優先
公明党大阪市議団は、2回の住民投票結果という民意を重く受け止めるべきだという立場を一貫させています。
国民民主党の足立康史氏も「『同日めざす』との発言は不公正で残念だ」と、住民投票と知事・市長選を同日に行う手法を批判しました。
制度論争を優先するより、老朽インフラの更新や物価高への対応など、実務的な課題に取り組むべきだという主張です。
神戸市も無関係ではない、特別市という選択肢
大都市と道府県の役割分担をめぐる議論は、大阪だけの話ではありません。
神戸市が加わる指定都市市長会は、都構想とは逆の方向性を持つ「特別市」制度の実現を国に求めています。
特別市は、指定都市が道府県から独立する仕組みで、市を廃止して府県に統合する大阪都構想とは発想が異なります。
指定都市市長会の「多様な大都市制度実現プロジェクト」には、久元喜造神戸市長を含む14市長が参加しています。
総理の諮問機関である地方制度調査会は、2026年1月に発足した第34次会において、大都市地域における行政体制を審議項目に加えました。
神戸市は2026年7月17日、神戸国際会館で「特別市」制度をテーマにしたシンポジウムを開き、久元喜造市長がファシリテーターを務めました。
同年7月には、大阪市を含む指定都市20市の市長会・議長会が連名で、特別市の法制化を含む大都市制度改革を国に求める提案をまとめています。
今後の課題
大阪の議論も神戸の議論も、根っこにあるのは道府県と大都市の二重行政をどう解消するかという同じ問いです。
大都市の形は住民の暮らしに直結するテーマであり、一度の政局論争で決着させるべきではないと考えます。
特別市が実現すれば、神戸市は道府県の関与を経ずに、独自の財源と権限で行政サービスを組み立てられるようになります。
第34次地方制度調査会の審議状況は、神戸市会に随時資料提供されており、今後も確認することができます。
堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
市政報告や地域の取り組みをLINEで配信しています。
