64系統の見直しと、しあわせの村・ひよどり台の路線見直しについて[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。市バスの減便と、北区での取り組みについてご報告します。
大きな流れ:各区で進む路線・便数の見直し
神戸市バスの利用者は、人口減少と少子高齢化のなか、長期的に減り続けています。コロナ禍で需要が一気に落ち、回復も限定的です。
燃料費や物価の高騰で運行コストも押し上がっています。利用が減る一方で経費が増える、という状況が続いています。
運転手不足も深刻です。高齢化による退職や、物流・タクシーとの人材争いなど、限られた人手のなかで路線網を維持しなければなりません。減便や路線見直しの大きな理由の一つです。
利用が減った路線でも便数を維持してきたケースがあり、需給のバランスが崩れ、収支も厳しくなっています。
このなかで神戸市交通局は、経営計画2030のもと、黒字・赤字にかかわらず市バスの路線・便数を見直しています。
2024年4月の兵庫・長田から始まり、2025年4月は東灘・灘、2026年4月は全市のダイヤ改正です。8月には須磨エリアの見直しが予定されています。
北区でも64系統では減便が行われ、しあわせの村・ひよどり台では2027年4月実施想定の見直しが議論されています。
7月1日の都市交通委員会では、利用者減少や運転手不足、赤字の説明は理解したうえで質疑しました。減便そのものを認めるか否かを問うのではなく、利用が落ちたあとも本数を維持してきた路線で、説明と再調整が現場の生活に追いついているか、を問いました。
(出典:神戸市交通局「令和6年度 兵庫・長田エリア…」、同「2025年4月1日 東灘・灘エリア…」、同「2026年8月 須磨エリア…」、神戸市営交通事業 経営計画2030)
北区の現場:路線は残っても、本数が問題になる
鉄道駅から遠い住宅地では、市バスは買い物・通院・通勤の足そのものです。
64系統の4月改正は路線廃止ではなく、走行効率を上げて路線を維持するダイヤ改正でした。
減便後に朝夕の一部で混雑が出た、というのが北区南部の現場です。
しあわせの村・ひよどり台を通る5系統では、2006年に1日約1.1万人だった利用が2024年は約8,300人まで減り、約26%減です。
一方、便数は346便から325便(約6%減)にとどまり、約20年間、運行本数はほぼ維持してきた、と7月1日の都市交通委員会で交通局は説明しました。
利用の落ち込みに比べ本数の削減が小さく、需給のバランスが取れていない、というのが見直しの背景です。
5系統全体で年間約2.6億円の赤字がある、とも説明されています。
運転手不足や赤字の説明は理解したうえで、地図上の路線と、暮らしの時間帯の本数は別だ、と議会で問い続けています。
公明党は議会で質疑し、結果につなげる
減便案をめぐり、北区でもチラシや署名、アンケートが広がりました。
他党・他派でも、署名活動やアンケートなどが行われています。
公明党は、乗れない・混む・廃止が不安、という声を都市交通委員会で問い、当局の答弁を引き出します。
64系統では、公式LINEに届いた混雑の相談を材料に、夕方便2便・朝1便の増便につなげました。
64系統:減便のなかで、増便へ
写真はイメージです
64系統は、神戸北町と三宮を結ぶ北区南部の生活路線です。
2026年3月12日の予算特別委員会で、交通局は64系統について説明しました。
コロナ前比で1日当たりの利用は約3割(3,000人)減っています。
運行本数の見直しは1割強にとどまり、需給のバランスが崩れている、との答弁です。
2026年4月のダイヤ改正後、公式LINEに混雑の相談が届きました。
減便自体はやむを得ない、との声もありました。朝夕の一部の便だけ、前より混む、という内容でした。
混み具合を交通局に伝え、乗車データの確認と再調整を要請しました。
5月19日の都市交通委員会で、公明党の萩原泰三議員が64系統の混雑把握と増便検討を問いました。
交通局は、ICカードデータや現地調査で見ており、夕方ラッシュ時にピンポイントで増便を検討する、と答えました。
その結果、6月29日から夕方18時台・19時台にそれぞれ1便ずつ増便が始まりました。
7月1日の都市交通委員会でも、私が64系統の朝の混雑について質疑しました。
交通局は、箕谷バス停に着く頃満員になる時間帯があること、数便待ちで約10分かかるケースも恒常化している、と認めました。
運転間隔が開く時間帯に1便増便し、間隔を均等にするダイヤで改善を図りたい、極力早期に調整を進めたい、と答えました。
その結果、交通局は7月11日にダイヤ変更を公表しました。8月1日から朝1便の増便を行い、日の峰2丁目発7時10分発を新設します。
(出典:2026年3月12日 予算特別委員会・2026年5月19日・7月1日 都市交通委員会・交通局7月11日公表)
ひよどり台:素案をめぐる地元の声と120系統への不安
しあわせの村・ひよどり台エリアは、鉄道駅から遠い住宅地です。
路線見直しの素案について、自治会や住民から陳情が提出され、7月1日の都市交通委員会で審査されました。
211号はひよどり台連合自治会から、減便・廃線見直しへの懸念を示す陳情です。
212号は65・66・120系統の存続等を求める個人陳情です。
120系統は交通局素案の三案いずれも廃止方向です。名谷方面は87系統と地下鉄の組み合わせで代替する考えです。
三宮・神戸駅方面の整理について、案1・案2・案3の三案が示されています。いずれもたたき台です。
案1:三宮・神戸駅直行を継続し減便。120系統(名谷方面)廃止。
案2:66系統(三宮方面)廃止、65系統(神戸駅方面)へ集約・増便。
案3:65系統(神戸駅方面)廃止、66系統(三宮方面)継続。120系統廃止。
いずれも神戸市交通局の地元説明資料より。
陳情212号には、120系統廃止で名谷方面への移動が40分から1時間増える、との記載があり、地域で不安が広がっています。
7月1日、都市交通委員会で3点を問う
ひよどり台の見直しについて、背景・120系統・65・66系統の3点を問いました。
見直しの背景と素案の位置づけを確認しました。三案はたたき台で、2026年10月頃に見直し案を示す、との答弁です。
120系統廃止時の所要時間について、交通局の正式試算を求めました。現行120系統は名谷まで18分です。
87系統と地下鉄の組み合わせでは、10から15分程度の増加となる試算でした。地下鉄運賃が追加で必要になる点も説明されました。
ひよどり台南町からは、120系統が名谷方面へ乗り換えなしで行ける唯一の足だ、という要望を伝えました。
完全廃止だけは避け、朝夕の通学・通院時間帯だけでも残してほしい、という声が中心でした。
65・66系統については、空白地を生じさせないことと、住民の生活実感は別の話だ、と指摘しました。
(出典:2026年7月1日 神戸市会 都市交通委員会)
これから:10月の見直し案
交通局は、地図上に路線が残ることで交通空白地は生じない、と説明しています。
地図上に路線があることと、使いたい時間帯に本数が確保されていることは同じではありません。
公明党は、211号を審査打ち切り、212号を不採択としました。路線網を維持するには整理が必要、という市の説明も踏まえた判断です。
一方、説明不足や意見が届いていない、という声自体は重く受け止め、当局には丁寧な説明を求めました。
120系統の廃止は素案三案に共通しています。65・66系統は、三案で減便・廃止・延伸の組み合わせが異なります。
2026年10月頃の見直し案提示、2027年4月の実施想定に向け、内容を注視します。
バスや交通のお困りごとは、公式LINEでも受け付けています。10月の案が出るまで、120系統をはじめ論点を議会で追います。
堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
市政報告や地域の取り組みをLINEで配信しています。
