避難所体育館の暑さ対策[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
避難所体育館の暑さ対策について、神戸新聞の2026年8月11日付記事と、神戸市会での答弁をもとに書きます。
公明党市議団として取り組んできた、体育館空調と避難所機能の課題もあわせてお伝えします。
文部科学省の2026年5月1日時点の資料では、神戸市の小中学校の体育館等は、空調設備の設置率が100%とされています。避難所指定校分も100%です。
ただ、この数字だけで、真夏の避難所として十分だとは言えません。神戸市の体育館空調は、建物全体を冷やす本格空調ではなく、冷風に直接当たって涼を取る部分空調として整備されてきました。体育館の大きさにかかわらず一律4台、という答弁もあります。
避難所体育館は「設置済み」で終われない
2024年10月の決算特別委員会で、教育委員会は、2019年度から2023年度までの5年間で全小中学校体育館に空調を整備したと説明しました。同じ答弁で、いまの設備は体育館全体を冷やすものではなく、冷気が届く範囲も一部に限られると述べています。
2024年の神戸では、熱中症警戒アラートの発表回数が前年の31回から58回に増え、8月は31日中30回発令されたとの答弁もありました。体育の授業や学校行事で使いにくい暑さは、災害時には避難生活の厳しさに直結します。
ここは、設置率と実際の効き方を分けて考える必要があります。避難した人が一晩を過ごせる温度になるのか。停電時にどこまで使えるのか。数字の100%とは別に、避難所としての使い方を見なければなりません。施設整備と避難所運営を分けずに扱う話です。現場の判断にも関わります。
公明党市議団として重ねてきた質疑
公明党市議団では、体育館空調を学校施設の問題にとどめず、避難所機能の問題として取り上げてきました。
2024年10月には坂口有希子議員が、全小中学校体育館にエアコンが設置されていても、夏場の避難所として使うには厳しいのではないかと質しました。2025年10月には萩原泰三議員が、現行設備はスポットクーラー的なものにとどまり、避難所環境として十分とは言えないと指摘しました。断熱工事や国の交付金を使った環境改善も求めています。
私も2024年11月の教育こども委員会で、特別支援学校の体育館空調を取り上げました。根底にあるのは同じ問題です。猛暑が続く中で、体育館の空調やバリアフリーは、特別な設備ではなく、学校施設として当たり前に考える必要があります。
体育館だけに集める前提を見直す
本格空調へ向けた検討は始まっています。2026年3月の予算特別委員会では、危機管理局が、異常高温の中で夏場の避難所はかなり厳しい状況にあると認識を示しました。今後は3校程度で試行的に空調整備を行い、増強効果を分析した上で全体の事業計画に進む流れです。
一方で、整備を待つだけでは目の前の暑さに間に合いません。2025年9月の決算特別委員会では、空調が必要な時期の避難所開設について答弁がありました。体育館以外の多目的室や特別教室など、空調の効きやすい場所を優先的に活用する通知を出しているという内容です。
ここが大事だと考えます。酷暑の中で、体育館に人を集めることを前提にするのではなく、教室、多目的室、特別教室を含めて、どの部屋で誰を守るのかを決める必要があります。高齢の方、乳幼児、持病のある方、障がいのある方を、暑さからどう守るか。避難所運営の順番まで含めて組み直す必要があります。
今後の課題
神戸市が早い段階で全校への部分空調を進めたことは、一歩前進です。その上で、近年の暑さは当時の想定を超えています。
本格空調には費用も時間もかかります。断熱、熱源、非常用電源、工事時期、国の財源支援も関わります。けれども、避難所で問われるのは、機械が付いているかどうかではありません。
真夏に人が集まり、一晩を過ごせる温度になるのか。停電したときに、どこまで使えるのか。授業期間中に教室をどう使うのか。ここを曖昧にしたままでは、「空調100%」という数字だけが先に立ってしまいます。
体育館の部分空調には役割があります。ただ、体育館全体を冷やす仕組みではありません。いまある学校施設をどう使うかまで含めて、避難所体育館の暑さ対策を組み直すことが課題です。
堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、市政活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
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