TOPブログ丹波で報じられた「緑の砂漠」は神戸にもある[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

丹波で報じられた「緑の砂漠」は神戸にもある[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。丹波地域の森林に関する新聞記事をきっかけに、神戸市の森林・里山再生の取り組みについてご報告いたします。

丹波で報じられた「緑の砂漠」は神戸にもある[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史

丹波で報じられた「緑の砂漠」

先日、神戸新聞に「緑の砂漠をなくせ 余剰木材消費」という見出しで、丹波地域の山林に関する記事が掲載されました。

見た目は緑でも土壌が痩せ、土砂災害のリスクが高まる「緑の砂漠」が広がっている。植林によって木材資源は増えているのに、活用が追いついていない。記事はそうした構造的な課題を伝えていました。

丹波では、資源の調達から加工・販売までを地域内で担う供給体制の構築が進められているとのことです。資源はあるのに、需要とつながっていない。それが丹波の抱える構造的な課題でした。

同じ課題が神戸にもある

実は神戸市でも、丹波と同様の課題を抱えながら、同じ方向の取り組みが進んでいます。川上の森林から川下の利用まで分断され、製材・流通・担い手が不足し、設計士や工務店、消費者との接点も弱い。資源はあるが需要とつながっていないという構造は、丹波と神戸で共通しています。

神戸市域の約4割は森林です。そのほとんどが広葉樹で、建築に使われるスギやヒノキのような人工林は多くありません。かつて広葉樹は炭や燃料として使われていましたが、今はその用途がなくなり、手入れされないまま大木化が進んでいます。倒木の危険がある箇所も出てきました。

丹波より条件が厳しい面もある

丹波にはスギやヒノキの人工林があり、林業の担い手や製材の基盤もある程度残っています。神戸はそこがさらに厳しい。

木を切る人がほとんどいません。人工林が少ないため、もともと林業が産業として根づいていなかったからです。製材所も市内に1社程度で、輸入材を並行して扱わなければ経営が成り立たない状態です。

広葉樹の扱い自体も簡単ではありません。スギやヒノキは海外でも計画的に植林・管理され、規格が揃った木材として安価に流通しています。一方、神戸の広葉樹は自然に生えた木なので品質がばらばらです。乾燥に1〜2年かかり、途中でねじれや反りが出やすい。水分を入れながら温度を上げるといった特殊な処理が必要な場合もあります。

色や木目は美しく、家具や内装材としてのポテンシャルは高い。しかし、それを活かすには経験と技術が要ります。山で切る人、製材する人、加工する人、買う人。川上から川下まで、すべてが分断されているのが神戸の現状です。

神戸市の取り組み、推進本部と令和8年度予算

この課題に対し、神戸市は「森の未来都市神戸推進本部」を立ち上げました。森林の再生と街の緑化を2本柱に、30〜40の担当課を横つなぎする組織です。

切った木をただ捨てるのではなく、使うことで生業が生まれ、それがさらなる整備につながる。そういう循環モデルを目指しています。

令和8年度予算では、広葉樹の伐採・搬出事業、しあわせの村の一部を活用した木材ストックヤードの拡張工事、そして神戸産材の活用を促す「神戸ウッド」の補助制度の準備が進められています。森林環境譲与税の活用も始まり、これまで手が出せなかった箇所にも取り組めるようになりました。

189団体が集まるプラットフォーム

丹波では地域内で供給体制を構築する動きが進んでいますが、神戸でも同じ方向の取り組みが始まっています。

「こうべ森と木のプラットフォーム」は、ひょうご森林林業協同組合連合会とひょうご環境創造協会が共同で運営する公民共創の取り組みです。森林を育み、活用し、次世代へつなぐ循環の仕組みを目指しています。

参加者は立ち上げ当初の17団体から、2026年4月時点で189団体・個人にまで拡大しました。企業や工務店、個人、行政、アドバイザーなど幅広い顔ぶれが集まっています。神戸産材を認証・販売する「KOBE WOOD事業」のほか、「こうべの木マルシェ」の開催、神戸市役所でのKOBE WOOD展示会なども行われています(出典:こうべ森と木のプラットフォーム公式サイト)。

ただ、木材コーディネーターは現在1人しかおらず、養成が急がれます。

北区の現場でも動きが出ている

北区、とりわけ北西部には手入れの行き届かない森林が多く、担い手不足やサプライチェーンの分断といった課題が集中しています。地元には材木店や家具店もあり、大学との連携の可能性も見えてきました。

丹波と神戸、課題は同じ

丹波で報じられた「緑の砂漠」の問題は、そのまま神戸にも当てはまります。森林の再生は防災にも、地域経済にも、教育にもつながるテーマです。神戸市の取り組みはまだ始まったばかりですが、プラットフォームに189の団体・個人が集まっていることは大きな力です。引き続き、この取り組みの進捗を注視し、地域の声を届けてまいります。

堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)

神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。

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