五大市政策研究会で見えた多文化共生 日本語教室の担い手が課題[神戸市北区]神戸市会議員 堂下豊史
地域の日本語教室を、誰が支えるのか。こんにちは、神戸市会議員の堂下豊史です。名古屋市で開かれた公明党の五大市政策研究会で、5市に共通する課題として挙がりました。
資料は各市の発表と神戸市のオープンデータによります。
5市の議員が集まるのは、国への要望をまとめるためです
2026年7月30日、名古屋市公館で公明党の五大市政策研究会が開かれました。
横浜・京都・大阪・神戸・名古屋の市議会議員が、大都市に共通する課題を持ち寄り、国への要望にまとめるために毎年開いている会です。
昨年度の議論は、12月に党の政調会長へ手渡した要望書になりました。
今年のテーマに多文化共生を選んだ理由
写真はイメージです
先日、日本で暮らす外国人が400万人を超えたと公表されました。基調講演で示された法務省の集計では、2025年末で412万人です。
5市はいずれも、この数年で急に増えています。神戸市は2026年4月末で66,195人、5年前は48,349人でした。伸びは約37%です。
横浜市の発表によると、永住する人の割合は全国より高く、定住型に変わっています。
支援する側とされる側、という見方が実態に合わなくなっています。横浜市は今回、支援から共創へ、外国人住民を担い手に、と掲げました。
これから増え続ける人たちを、地域を一緒に担う相手として迎えられるか。そこが決まらないうちは、地域の行事もいざというときの助け合いも、昔から住む人だけで抱え続けます。
基調講演で示されたのは、不安と実態のずれでした
基調講演は日本福祉大学准教授のカースティ祖父江氏です。日本語教育が専門です。演題は「在留外国人を巡る議論における言葉の使い方について」でした。
示されたのは、在留外国人の人口と、外国人による犯罪の検挙件数を1980年から2025年まで重ねたグラフです。人口が増えた後も、検挙件数はむしろ下がっています。
NHKの世論調査では、外国人が増えると治安が悪くなると考える人が3割ほどいます。その割合は、接する機会がある人とない人でほとんど変わりません。
日本語の使い方にも同じ二重基準があります。同じ言い回しでも、外国人が使えば誤用とされ、日本人が使えば新しい言葉として扱われることがあります。
厚生労働省の集計では、製造業で働く外国人が65万人、医療・福祉で15万人です。日本人が減るなかで、現場はすでに外国人に支えられています。
在留外国人と観光客を分けて考えてほしい、という指摘も繰り返されました。ここで働き、学び、生活している人が対象です。
各市が挙げた実情と、国への要望
横浜市は、ボランティアに依存している日本語教育と相談体制への財政支援を国に求めました。
京都市は外国籍市民の3割が留学生で、暮らしの困りごとの1位は日本語の会話と読み書きでした。
調査では、外国籍市民の93.5%が交流したいと答える一方、日本人側は61.1%です。理由の1位は交流のきっかけがない、で7割を超えます。増加を良くないと感じる人も47.1%いました。
そこで京都市は、通訳の派遣や多言語相談への財政支援と、外国籍市民が交流しやすくなる施策の推進を求める案を示しました。
大阪市は生野区で住民の約4人に1人が外国籍です。日本語指導が必要な児童生徒は3,038人で、2025年度は新たに1,653人が編入してきました。
要望は学校に絞り、日本語指導に必要な教員定数の改善を挙げています。
名古屋市は地域の教室をボランティアが運営し、担い手も場所も足りません。ボランティア任せを根本から見直し、続けられる制度設計と国の財政措置を求めました。
共通するのは財政支援です。分かれたのは対象で、学校に絞る市と、地域の教室に及ぶ市がありました。
神戸市が挙げた実情と、国への要望4項目
神戸市が挙げたのは、地域の日本語教室が届いていない北部と西部という実情です。今年度から立ち上げ支援を始めています。
要望は4項目です。在留外国人向けプログラムの早期実施、地域における日本語教育への財政支援、帰国・外国人児童生徒等への支援、ワンストップ相談窓口の運営への支援です。
消防団や自治会の役員に、外国人はほとんどいません
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午後の意見交換では、消防団や自治会の役員に外国人がほとんど入っていない現状が話題になりました。
大阪市と神戸市には外国人の消防団員がいません。神戸市会からは、議論を始めた段階だと述べました。
横浜市は入団を呼びかけています。
古くから住む方が商店街連合会や工業組合の役員を務める一方、近年来られた方はごみ出しのルールを覚える段階です。この差をどう埋めるかが宿題になりました。
神戸市は阪神・淡路大震災で共助の力に支えられました。その経験から若い外国人を多文化防災リーダーに育て、2025年度は33名が認定されています。
日本語教室を支えているのは、いまも自治体と市民です
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教室の多くは、市民のボランティアが支えています。人が集まらなければ開けず、続ける保証もありません。
5市が国に求めたのは、その仕組みを続けられるようにすることでした。
受け入れの是非とは別に、すでに隣で暮らしている人がいます。日本語を学ぶ場を保てるだけの支えを、国に求めます。
北区のどこで教室が動き出すのか、続報をお伝えします。
堂下豊史|神戸市会議員(神戸市北区)
神戸市北区を拠点に活動する神戸市会議員。
地域の声を市政に届けるため、議会活動や地域課題の解決に取り組んでいます。
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