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神戸市、神戸電鉄株式の購入へ 議会提起が形に、沿線まちづくりが次の段階へ

神戸市、神戸電鉄株式の購入へ 沿線まちづくりと路線維持に踏み出す新年度予算

新聞でも報道されたとおり、神戸市は新年度予算で「神戸電鉄と連携したまちづくりの推進(予算額 280,000千円)」を計上し、神戸電鉄の株式を購入する方針を示しました。西北神地域の基幹的な交通であり、市民生活に不可欠な神戸電鉄について、厳しさを増す粟生線機能の将来にわたる維持・存続と、全沿線で鉄道事業と一体となったまちづくりの強力な推進を目指すものです。

今回の予算措置のポイント

今回の措置は、単なる補助にとどまらず、鉄道経営と都市政策を一体で扱う段階へ移行するための重要な一歩です。市が株式を購入することで、沿線まちづくりと鉄道経営の連動を強め、将来に向けた協議・検証の土台を固める狙いがあります。

背景にあった公明党・萩原議員(中央区選出)の質疑

この流れを語るうえで欠かせないのが、令和7年第2回定例市会(第6日/令和7年10月10日)における公明党・萩原泰三議員(中央区選出)の質疑です。萩原議員は、粟生線活性化協議会で路線別収支が示されたことを踏まえ、粟生線の赤字が継続する一方で、会社全体としては黒字を維持している点を整理した上で、次の構造的課題を指摘しました。

すなわち、有馬線などの収益が粟生線の赤字によって大きく相殺され、結果として本来は有馬線に投資されるべき資金が、粟生線の維持に回っているという構図です。そのうえで、人口減少が続く中でもバランスの取れたまちづくりを進めるために、粟生線が自立的に運営されるような大胆な取組を求める必要があるとして、市の見解を質しました。

市長答弁が示した認識の変化

これに対し久元市長は、粟生線が「地域の主要な基幹交通」であり「維持存続は大変重要」と述べたうえで、協議会で報告された数値として、令和6年度の経常利益が約6億5,000万円の赤字、令和7年度(4~8月)の利用実績がコロナ前(令和元年度)比で11.5%減であることなどを示しました。また「今後大きな回復は見込めない」との分析にも触れています。

さらに市長は、萩原議員の指摘に関連して、有馬線に本来投資されるべき資金が十分に投資されていない状況になっているのではないかとの認識を示しました。加えて、鉄道事業収支が赤字となった場合の運賃改定(値上げ)の可能性にも言及し、粟生線の赤字に起因して有馬線でも値上げが行われるような事態は「ゆゆしき事態」との問題意識を示しました。

そして今後については、従来の「乗って支える」取組に加え、近い将来には粟生線の自立した持続的運営に向けた仕組み鉄道運営の構造的な部分の検討にも踏み込まざるを得ないとの認識を明確にしました。あわせて、路線別収支や設備投資計画を一層詳細に確認・分析し、神戸電鉄の経営方針と神戸市のまちづくりを連動させるなど、協議・議論のレベルを上げるべき時期に来ていると述べています。

Q&Aで整理(ここだけ読めば要点が分かる)

Q1.なぜ「株式の購入」なのか。

A.単なる補助ではなく、鉄道経営と沿線まちづくりを一体で進めるためです。市が株式を購入することで、将来の路線維持を前提に、経営方針や投資方向についても踏み込んだ協議・検証を行いやすくなります。

Q2.議会ではどんな課題が示されたのか。

A.公明党・萩原議員が、粟生線の継続赤字と利用者減少、そして有馬線の収益で粟生線を支える構造により「本来、有馬線に投資すべき資金」が粟生線維持に回っている可能性を指摘しました。

Q3.市長はどう受け止め、何を示したのか。

A.市長は、粟生線の赤字(約6.5億円)や利用実績(コロナ前比▲11.5%)を具体に示し、将来的な運賃改定の可能性にも言及しました。その上で、近い将来には自立運営の仕組みや鉄道運営の構造的検討に踏み込む必要があるとの認識を示しました。

まとめ:公明党の提起が「具体策」へ

公明党神戸市会議員団は、神戸電鉄沿線の人口減少への対応、粟生線の持続可能性の確保、鉄道と一体となった沿線まちづくり、そして補助にとどまらない関与の必要性を、議会の場で提起しました。今回の神戸電鉄株式の購入を含む予算措置は、そうした議論が具体化したものであり、地域交通とまちづくりを前に進める重要な一歩です。

人口減少が進む中で、地域交通の維持は、暮らしの安心とまちの持続性そのものに直結します。今後も、沿線住民の生活を支える交通とまちづくりが一体となるよう、議会の立場から提案と検証を重ねてまいります。