TOPブログクマ出没から考える地域の安全と継承、但馬でカメラがとらえたクマのすがたと1・17のつどい

クマ出没から考える地域の安全と継承、但馬でカメラがとらえたクマのすがたと1・17のつどい

但馬地域で、深夜にツキノワグマが民家裏へ接近する様子が、自動撮影カメラによって確認されました(出典:神戸新聞)。
墓地前の階段を下り、住宅地へ近づく成獣とみられるクマ。ストロボに驚いて山へ戻ったものの、住宅地と野生動物の距離が極めて近い現実を突きつける映像です。

兵庫県内では、今年は餌となるドングリが豊作で、クマの出没・捕獲数は全体として減少傾向にあると報じられています(出典:神戸新聞)。
一方で、深夜や早朝の住宅地周辺への接近事例は依然として発生しており、「件数が減った=安全」とは言い切れない状況です。

AIカメラを活用した広域監視体制の必要性

こうした背景を踏まえ、私からは昨年12月の兵庫県・神戸市調整会議の場で、久元市長はAIカメラを活用した広域的な監視体制の重要性を提起しました。
その後、10月の常任委員会で環境局に進捗を確認したところ、以下の答弁がありました。

A(環境局部長)答弁:

  • 令和7年3月に「県南地域シカ分布拡大防止対策会議」を開催し、ツキノワグマについても議題に加わった。
  • また、本年度の兵庫県予算では鹿などの行動調査に自動撮影カメラを活用するなど、効率的な調査手法の開発方針が示されている。
  • 神戸市としても近隣市町と連携し、効果的な対策を実施していく。

出没してから対応するのではなく、兆候を捉え、事前に備える体制づくりが、いま現実の政策課題となっています。

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こうしたクマ出没の影響は、私たちの暮らしの安全だけでなく、地域の営みや記憶の継承にも及び始めています。

神戸で毎年1月17日に行われる「1・17のつどい」では、竹筒にろうそくを浮かべた灯籠を「1・17」の形に並べます。
神戸新聞は、近年、竹筒の提供数が減少している背景として、提供団体の高齢化に加え、2025年はクマ出没を懸念して活動を見合わせる動きもあったことを報じています(出典:神戸新聞)。

「竹の提供を続けたかったが、万が一のことを考えて活動できなかった」。
この声(出典:神戸新聞)は、クマ出没が自然環境の問題にとどまらず、地域活動そのものを萎縮させている現実を象徴しています。

こうした中、つどいの実行委員会は、市有地の竹林で自ら竹筒づくりに取り組み、学生も参加する形で新たな継続の道を模索しています(出典:神戸新聞)。
安全を確保しながら、どうやって地域の営みを未来へつなぐのか。その姿勢は、多くの示唆を与えてくれます。

野生動物対策は、「駆除」か「放置」かという単純な二択ではありません。
正確な情報把握、AIなど技術の活用、広域連携、そして人の営みを守る視点が不可欠です。

但馬で捉えられた一頭のクマの映像と、1・17のつどいを支える竹筒づくりの現場。
神戸新聞が伝えたこれら二つの出来事は、「地域の安全」と「暮らし・記憶の継承」をどう両立させるのかという、共通の問いを私たちに投げかけています。

神戸市としても、引き続き警戒情報の共有、AIカメラの活用、近隣市町との連携を通じて、市民の安全と地域活動の継続を支える取り組みを進めてまいります。