本格運行後の支援が切れる!地域交通を守る制度の見直しを

本格運行後の支援が切れる!地域交通を守る制度の見直しを。

唐櫃にバスを走らせる会 会長・植田里美さんから、そんな切実な声をいただきました。
高齢化や人口減少が進む中、神戸市北区では“生活の足”を守るために、住民主体の地域コミュニティ交通が次々と生まれています。その一つが「からとんくるりんバス」。地域の力で走り出したこのバスには、地域交通の未来を考える多くの示唆が詰まっています。

神戸市は、地域が主体となって運行する「地域コミュニティ交通導入支援事業補助金」を設けています。
この制度は地域交通の立ち上げを支える大切な仕組みですが、課題は事務費補助が本格運行後、最長1年で終了することです。

それ以降は、地域の持ち出しや協賛金で運営を続けざるを得ません。運転手の確保、車両の維持、燃料費など、現場の負担は決して軽くありません。熱意だけでは持続できない——そんな現実が立ちはだかっています。

こうした地域の声を受け、私は2024年5月議会で質問しました。
「本格運行後も、運営経費の補助を継続できるよう制度を見直すべきではないか」
地域交通は“社会のインフラ”です。立ち上げ時の支援だけでなく、運行が軌道に乗るまでの継続的な伴走が必要です。

今西副市長からは次のような答弁がありました。
「利用が伸びず、利用促進が求められる地域では、補助継続の検討が必要。地域の状況把握を進めてまいります。」
市としても制度の硬直的な運用を見直し、地域の実情に寄り添った支援を検討する姿勢が示されました。

この問題は神戸新聞でも取り上げられ、多くの市民の関心を集めました。
「地域の足をどう守るか」というテーマは、北区だけでなく、神戸全体、そして全国の地方都市にも共通する課題です。
地域の力で走り出した「からとんくるりんバス」。

その背後には、無数の努力と、諦めない地域の想いがあります。
今後も、持続可能な地域交通の実現に向けて、
地域の声を受け止め、制度の改善と支援の強化に全力で取り組んでまいります。